吉田樹教授が、日本福祉のまちづくり学会第26回全国大会(令和5年9月29日~10月1日開催(会場:宇都宮大学))において、口頭発表した論文「定額制タクシーサービスの継続要件と高齢者のモビリティ確保に関する考察」が大会優秀賞を受賞し、併せて令和6年度福島大学長学術研究表彰を受賞しました。
受賞論文は、ある地域における定額制タクシーサービスを事例として、時間帯や区域・区間を限定したタクシーのサブスクリプションが、高齢者の外出機会を促進するかを利用者へのヒアリングに基づき分析したうえで、本サービスを継続するための諸要件を提示することを目的としたものです。分析の結果、サービスを利用する高齢者は、自立して外出する機会が増えたことが確認されましたが、通常のタクシー営業で得られる収入を下回り、営利事業としての継続性には課題があることが明らかになりました。また、運行区域の面積や形状によっては、相乗り時の輸送効率が高まり、継続可能性が向上することも示されました。
同様のサービスの導入が、多くの地区で検討されている現状において、導入の効果と課題を明らかにしたことは、社会実装への貢献という観点で大いに評価できます。
左から井上学類長、吉田教授、佐野理事・副学長
日本における行動経済学の第一人者である神戸国際大学の筒井義郎先生を講師にお招きし、「経済学、行動経済学、幸福の経済学」というテーマで学術講演会(オンライン形式)を開催しました。合理性という枠組みの下では説明することが難しい経済現象の解明を目指す行動経済学や、効率性の尺度のみでは評価することが難しい所得再分配などの政策課題に挑戦する幸福の経済学について、分かりやすい言葉でご講義いただきました。最先端の経済学に触れることのできる大変貴重な機会となりました。