2019年8月

1年生で行われるスタートアップセミナー・学外研修の様子

経済経営学類では、1年次前期に大学での学び方を身につけ、大学生としての自分をデザインすることを目的とした「スタートアップセミナー」という科目があります。その様子、また学外研修の様子を”少し”紹介します。

<野際大介ゼミ>  前田 隼輔さん

「学外研修を通じて」

私たち野際ゼミは、先生を含め18人で活動しています。今回の学外研修は、ランダムに分けられた6班が各々研修計画を考え、パワーポイントを用いたプレゼンテーションを行い、学生間の投票によって選ばれた班の計画に則って実施されました。この活動では、その後の振り返りを通じて、支持された、または支持されなかった原因を分析することで、スライド作成のテクニックなどを学ぶことができました。

6月22日(土)に私たちは宮城県の松島を訪れました。当日は雨が心配されましたが、時折ちらつくほどで済んだので良かったです。最初に、松島さかな市場で昼食を取りました。名物である「松島かきバーガー」や「焼きがき食べ放題」。他にも新鮮な海の幸が種類豊富にあって、どれも美味しかったです。その後、松島島巡り観光船に乗り、仁王島や鐘島などさまざまな島々を観光して、日本三景の一つである素晴らしい眺めを存分に堪能することができました。

私は、学外研修を通じて野際ゼミの絆がより一層深まったと感じます。これからも互いに協力し合いながら多くのことを学んでいきたいです。

<佐野孝治ゼミ> 金野 夏海さん

「JICAへ研修に行って」

私たち佐野ゼミは、先生を合わせて19名で活動しています。主に学んでいるのはアカデミック・スキルズです。私たちは現在、情報収集の方法、プレゼンテーション、レポートの書き方、ディベートなど、社会人として生きていくうえで必須となる技術を学んでいます。

私たちは5月、二本松JICAへ学外研修に行きました。そこで、JICAの海外での活動について聞き、訓練所の中を見学しました。そこではたくさんの訓練生の方が海外派遣先で活動するための厳しい訓練をしていました。特に、語学の勉強は徹底していて、学習エリアでは日本語の使用を一切禁止され、英語、フランス語、ポルトガル語、スワヒリ語など、派遣先の言語で会話していました。

今回の学外研修で、外国の持つ課題について知り、グローバルとなった時代に世界で活動するためには、知識と技術が必要になることを学びました。何かを為すためには、そのための準備を十分にしてから行うことが大切であると考えました。

2019年度,新任教員挨拶

福島大学経済経営学類に今年度から着任いただきました,先生方の挨拶を掲載します。とても魅力的な先生方来ていただきました。ぜひ新任の先生方と学んでいきましょう。

【私の福島の印象 -潜在力溢れる福島-】経済経営学類 准教授 小島 健

 4月に福島大学へ着任しました小島健と申します。私の専門は、マクロ経済学、金融、そして行動経済学です。モノの循環、カネの循環、そしてヒトの心の作用を分析します。着任する前、福島市市役所の定住交流課の方に福島の現在について多くのことを尋ねました。着任してすぐ、福島の県民経済計算、土地価格の推移、人口の推移を調べました。最後に、経済経営学類の二年生の進路についてアンケートをとりました。その結果、着任して数十日の私ですが、福島の持つ潜在力の高さに大変心が躍っています。 

 まず、多くのデータは福島ももれなく、日本が抱える問題、日本の諸地域が抱える問題を、同様に抱えていることを示していました。これは、福島の活躍が日本の諸地域の活躍に繋がり、日本の抱える問題解決に繋がることを意味しています。そして日本が抱える諸問題は、いずれ世界の先進国が抱える諸問題ですから、世界が抱える諸問題の解決の先駆けになることを意味しています。 

 続いて、ここに希望を見出す理由は、ここ福島大学の学生の志の高さからです。進路のアンケートには、「地元に帰って地域貢献がしたい」「どうすれば地域活性化に繋がるのかを勉強したい」「福島県内に足を根差しながらグローバルな活動をする職業に就きたい」など、なんと地域活性化への情熱に溢れた回答の多いことか。中には、そもそも高校生の時からその決意を胸に抱き、地域と繋がりの強い福島大学を選んだと回答した学生もいました。

 ここ福島、なかんずく福島大学には大きな「問い」とその「解決」への情熱を掲げる学生がいます。そこでの私の役割は、彼らのアイデアの種を学問という土地に植え、データと分析という水を共に注ぎ育て、問題解決のための多くの人材を輩出することなのではと、その将来を目に浮かべるとき、私の心は躍ってやまないのです。これが福島と福島大学の学生の私の印象です。そして、僭越ながら、経済学者アルフレッド・マーシャルの言葉を借りさせて頂くと、この福島の潜在力の高さを存分に発揮することを目指し、地域の抱える諸問題の解決のために冷静な分析力と、しかしながら熱く燃える情熱を持ち、自ら取り組んでいく福島大学の卒業生を一人でも多く輩出するため、持ちうる最良の力を傾けたいというのが私の福島着任の決意です。今後もどうぞよろしくお願い申し上げます。

【福島からのご縁と繋がる    私のミッション】経済経営学類 特任准教授 長野 博 一

 この度ご縁をいただき、4月に赴任しました長野博一です。私の地元は埼玉県越谷市ですが、小学校・中学校と林間学校やスキー教室などの行事は「安達太良少年自然の家(越谷市教育委員会の施設)」に宿泊し、少年時代より福島県にはご縁があります。先日は、35年来のファンでもあります吉川晃司のライブがあったため、いわき市芸術文化ホール・アリオスへ10歳の長女と参戦してきました(人気でチケットがなかなか取れないのですが、福島大学への着任が決まったと同時にチケットが当たりました、ご縁を感じました)。

 私の専門は大きく2つ、公共政策領域とまちづくり領域になります。都市計画や地域政策といった行政施策系と、地域経営や市民参加といった地域マネジメントという、行政と市民の間に立つための領域と捉えることができます。そのため、研究・実務共に最も意欲的に取り組んだ内容は、福祉のまちづくり(ユニバーサルデザインを目指した取り組み、手段としてバリアフリーや高齢者の健康など)と住民合意の為のプロセスデザイン(合意形成理論)になります。このような実践領域は、海外を中心に学問としても成立しており、特に地方国立大学だからこその必要領域とも言えます。本領域における教育・研究、地域貢献を私のミッションとして活動して参りたいと思います。

  一方で、全国青年司法書士協議会の先生方と、空き家・空き地とランドバンクに関する研究をここ数年取り組んでおります。福島の地で、司法書士の先生方と連携しながら、地域や行政と関わり、改善プログラムを提案できるよう、じっくり取り組む所存です。関連する話題などがありましたら、是非お声かけください。

 さて、自分のキャリアプロセスを振り返りますと、民間を経て東京の区役所で長らく勤務をしてきまして、その間に社会人博士課程へ進み研究を続け、新しいキャリアモデル構築を試みました。民・官・学と渡り歩いてきましたため、あらゆる角度から柔軟に対応できる点を私の売りにしようかな、という事を密かに考えています、そのような人材ですので、うまく皆様にご活用いただけましたら幸いです。特に、公務員試験対策やキャリアデザインなどでは、学生に寄り添いサポートできればと思っておりますし、もちろん、OBOGの皆さんの中で、行政系へチャレンジされたいと考えている方がいらっしゃれば、気兼ねなく訪ねてください、何かのきっかけと成りうるかもしれません。そうした出会いを楽しみに、お待ちしております。

【「データ・サイエンス×社会科学」    で課題解決を学生たちと】経済経営学類 准教授 野際 大介

 はじめまして。2019年4月より経済経営学類(経営学系)に着任しました野際 大介です。講義はビジネス・リサーチⅠ、消費者行動論、ビジネス統計といった科目を担当しております。

 私自身は、企業にて国際物流や経理監査などの業務を経験したのち、財団法人のシンクタンクにてメーカーや小売業とマーケティングデータ解析の共同研究を行ってまいりました。その後、専門学校教員を経て、福井工業大学工学部/環境情報学部 経営情報学科にて統計学とマーケティングの教員として勤務後、この度、福井市より地元の北海道に近い福島市へ移ってまいりました。

 研究の専門は、マーケティング・サイエンス、経営統計学です。具体的には、近年情報化が進むなかで膨大なデータ(ビッグデータ)が蓄積され、企業経営やマーケティング活動に役立てるという視点が学術だけでなく実務でも議論されています。また、計算機の性能が飛躍的に進化したことから、さまざまなデータを容易に解析できるようになりました。このように「データ・サイエンス×社会科学」のアプローチから研究を進めております。

  データ・サイエンスや経営工学といった工学的なアプローチに基づく研究においては、数学やプログラミングのスキルが必要となります。このような状況で、経済経営学類の学生たちが興味をもってもらえるか心配な面もございました。しかしながら、当該研究分野へチャレンジしたいと専門演習(ゼミ)の門をたたいてくれた意欲的な学生たちがおり、ホッとしているところです。微力ではございますが、実務の世界と学術研究の両面の経験を学生たちや社会人学生の方と共有し、ともに成長できればと考えております。加えて、近年データ・サイエンスに関わるコンペティションが多数開催されていることから、興味関心のある学生たちと参加し、実務上の課題解決型研究の実践ならびに他大学と積極的に交流を進められればと思っております。

 今後はこのような教育研究活動を通じて、学生たちとともに県内企業との連携もさることながら、都市圏での分野と思われがちなデータ・サイエンス研究の実務への応用普及といった課題にも取り組んで参りたいと考えております。何かと至らぬ点にお気づきのところも多々あるかと存じますが、何卒よろしくお願いいたします。

【被災地域の内発的発展を   学生とともに考える】経済経営学類 准教授 藤原   遥

 今春、着任しました、藤原遥と申します。私は2014年から福島県双葉郡川内村を中心に、避難指示区域に指定された地域における被害実態の把握および、復興行財政の調査研究を行ってきました。自分のフィールドである福島県の国立大学において、研究、教育に携われることを嬉しく感じるとともに、重責に身が引き締まる思いがします。これまでお世話になった地域を含めて福島県内の市町村に対して研究や教育活動を通じて貢献できるよう、より一層精進して参りたいと思います。

 研究の専門は、地域経済学、地方財政論、環境経済学です。これまで地域の内発的発展をテーマに調査研究を行ってきました。内発的発展とは、地域の企業や団体や個人が自発的に計画を立て、地域の環境を保全しながら資源を利用し、地域の文化に根ざした経済発展を目指す考え方です。この考え方で地域づくりを実践している国内外の自治体を訪問し、調査を行ってきました。こうした地域の事例を参考にしながら、福島原発事故被災地域の復興・再生のあり方を検討してきました。被災地域が抱える課題は、複雑で奥が深く、他の地域と同じではありません。今後も、継続的に地域に足を運び、地域の方々とともに、その地域の自然環境や文化、人々の暮らしに合った復興のあり方を考えるとともに、その実践に向けて、積極的に関わっていきたいと思います。地域に根ざした実践的・実証的な研究を目指していきます。

 担当科目は、地域論と地域政策論です。地域論では、地域における多様なライフスタイルを紹介し、学生が地域の価値を再評価し、自らの生き方や働き方についても考える契機となる講義にしたいと思います。地域政策論、日本における従来の地域政策の課題を示したうえで、内発的な地域づくりのあり方について学生とともに考える授業です。

 専門演習は後期から担当します。今年は、山の暮らしの再生をテーマに取り組む予定です。阿武隈山地に位置する地域を中心に、福島原発事故による山の資源に依拠した暮らしや生業への影響を把握し、その復興・再生のあり方をゼミ生とともに検討します。現在、ゼミ生を募集している段階ですが、地域の課題解決について関心のある学生にぜひ入ってもらいたいと思っております。

【福島との「縁」を活かそう】経済経営学類 准教授 村上 早紀子

 今年度より経済経営学類に着任いたしました、村上早紀子と申します。

 専門は地域経営、都市・地域計画、地域づくり、住居学です。地域自主組織、まちづくり会社など、地域に密着した経営組織や、地域の買い物環境向上に向けた方策に関して研究しています。

 東北地方はじめ地方都市では、人口減少や高齢化が叫ばれていますが、そうした地域であっても地域課題と前向きに向き合いながら居住していく可能性を明らかにしたいと考えています。

 出身は秋田県羽後町で、弘前大学で学位を取得し、このたび教員として福島に参りました。福島との縁でいえば、学生時代より、須賀川市の都市計画やまちづくり活動の調査を行っております。歴史文化を活かしたまちづくりに、おもてなしの精神で取り組んでいらっしゃる街に魅力を感じています。

 福島は、各地域によって気候や文化、歴史、県民性が異なるという点が特性であると思います。そうした各地域から、そして県外からやって来られて、学問を志している学生の皆さんには、ぜひ、福島だからこそ出来る経験に果敢にチャレンジしていただきたいです。