大学院経済学研究科(修士課程)概要

(2017年6月13日更新)

1.経済学研究科の目的と特長

本研究科は修士課程のみの大学院です。経済学・経営学の専門的学識と研究能力を高めることを通じて,高度の専門性を有する職業人を養成することを目指しています。

2016年度から始まった新カリキュラム(教育課程)は,これまでのカリキュラムの利点を残しつつ,さらに効果的・効率的な研究・教育活動が展開できるように再編成されています。

社会人の学び直し教育に対応すべく,従来の修士論文を執筆するコースと並んで,実務との関係を意識した課題研究コースも設定しています。そのほか,昼夜開講体制や長期履修制度,土日開講,各分野の最前線で活躍されている外部講師による講義科目の充実なども図っています。


2.カリキュラム(教育課程)の概略

(1)専攻
本研究科には,経済学専攻と経営学専攻の2つがあります。「専攻」は専門領域を示す最も大きな枠組みです。出願時に選択する必要があります。各専攻にはそれぞれ研究指導を行う教員(=指導教員)が配置されています。

①経済学専攻
経済学専攻では,経済学のさまざまな理論や手法をしっかりと身につけながら,自分のテーマに沿った研究を行います。制度や政策を深く理解したり,物事を歴史的に考察したり,国際社会や地域,市場や産業の諸問題を掘り下げたりして理論的・実証的な分析に取組み,論理的思考力を磨きます。これらの研究を通して,公務員としての政策立案担当や地域企業の経営,NGONPO,公的私的諸機関の運営において求められる柔軟な発想や適切な判断力を身につけていきます。社会で活躍できる諸能力を身につけようとする方のみならず,職務上の問題意識の整理や多年の実務経験の集大成を行おうとする方にも対応しています。後述の「地域産業復興(ふくしま未来食・農教育)プログラム」および「グローカル政治経済学プログラム」を希望するかたは経済学専攻を選択してください。プログラムの詳細は後述します。

②経営学専攻
経営学専攻は,大きく経営学領域(狭義の経営学)と会計学領域に二分されます。学生はいずれかの領域に主軸を置いて専門科目や演習を履修しますが,関心のある専門科目を互いに履修することもできます。また,主に社会人の方々がそれぞれの領域を効果的・効率的に学べるように,経営学領域には「ビジネスキャリア・プログラム」(略称:BCP),会計学領域には「会計税務プログラム」があります。この2つのプログラムを希望するかたは,出願時に経営学専攻を選択してください。プログラムの詳細は後述します。

(2)特色あるプログラム
本研究科において「プログラム」とは,特定のテーマに関心のあるかたのために体系的に編成された科目群(演習科目および専門科目)のことです。

現在,地域産業復興(ふくしま未来食・農教育)プログラム,グローカル政治経済学プログラム,会計税務プログラム,ビジネスキャリア・プログラム(BCP)の4つがあります。

プログラム履修を希望するかたは,出願の際に願書の所定欄にご記入ください。出願時点で未定のかたは入学式同日の個別面談を経て決定されます。

フィールドにおける実践を通じた研究教育PBL: Project Based Learning)を重視し、福島県をはじめとする国内の地域産業復興の担い手となるエキスパートを養成するためのプログラムです。「ふくしま未来食・農教育領域」では,震災・原発事故後の福島県内の農業や地域の復興,食の安全・安心を支える高度な人材を育成します。また2017年度に新設した「公共政策デザイン領域」では,地域の産業や社会が抱える諸問題を解決し,福島県をはじめとする地域経済の復興に貢献するエキスパートの養成を目指します。

グローカル(グローバル+ローカル)な視点で地域と世界をつなぐエキスパートを養成することを目的としています。世界の経済,経済の歴史,経済学の考え方を学び,近年の世界情勢や研究動向に応じて知見をヴァージョンアップするとともに,国内外のフィールドワークにおける実践を通じた「問題発見解決型学習」を行います

会計税務プログラム(経営学専攻)
本学同窓生,地元会計専門家から協力を得ながら,次世代の会計専門家を養成するためのプログラムです。本プログラム受講者は,会計・税務に関する科目群を集中的に学びます。研究者による理論的な講義だけでなく,実務家による実践的な講義を提供します。経理マン,商業高校教諭,ビジネスマン,税理士など会計専門家を目指す方にお勧めです。

主として社会人のみなさんに向けて,ビジネスに関わる多様な科目群を,仕事と両立しやすい週末の昼間(10:30-17:00,休憩含む)に集中的に提供し、ビジネスリテラシーの学習を体系的に支援します。

(3)コース
本研究科において「コース」とは,研究・履修様式を示すものです。「修士論文コース」と「課題研究コース」に分かれます。修士1年の7月下旬にコースの申請を行います。入試形態に関わらず,演習担当教員の指導のもとでどちらかのコースを選択します。

①修士論文コース
修士論文の作成を必須とし,それを目指した指導が行われます。オーソドックスな社会科学系大学院の研究・履修様式を踏襲するものです。税理士試験の科目免除を目指すかたは,社会人院生でも修士論文コースを選びます。

②課題研究コース
修士論文の作成を必須とせず,代わりに,実務経験などと関連した特定の課題についての研究レポート,すなわち「課題研究」を作成します。社会人院生の多くは課題研究コースで学んでいます。なお,ビジネスキャリア・プログラム(BCP)は,課題研究コースのみです。

(4)指導教員
指導教員は,演習において担当する院生一人ひとりの研究に専門的な助言を行います。指導教員と院生は11の場合もあれば,1人の指導教員が複数の院生を担当する場合もあります。

指導教員との関係は、大学院生活においてたいへん重要です。しかるべき理由・時期・手続によっては変更することも可能ですが、標準的な2年間での修了が難しくなるため、むやみな変更は望ましくありません。他方で、学部卒業から年数を経た本学同窓生や他大学出身のかたは,どの教員を希望すればよいか,戸惑うことが予想されます。

そこで本研究科では,合格者を対象に,入学手続時に指導教員の希望調査を行い,希望する教員(入学者1人あたり最大4名)との個別相談を入学式当日に設定しています。院生各自の意向を考慮しつつ,教員の指導可能人数と照らしながら,指導教員を決定しています。

関連して,出願段階での指導教員の候補またはプログラム履修を想定しておくことが理想です。[教員一覧]から,各教員の研究・教育・社会貢献活動などの情報に目を通すことをお勧めします。本ブログでも教員の活動を紹介しています。

同一教員への希望が多数の場合は,院生の意向どおりにならないことがあります。また,やむを得ず教員の退職・休職等が生じた場合は,出願時点の学生募集要項に掲載されていても,当該教員を指導教員として希望することはできません。


3.経済学研究科の様々な制度

(1)早期修了制度(課題研究コースのみ)
課題研究コースでは,第3セメスターにおいて優れた(A評価)課題研究を提出し,かつ,要修了単位を修得した場合,院生の申請により合計3セメスター(1年6ヵ月)の在学期間で修了することができます。

(2)長期履修学生制度
職業を有しているなどの事情(家事労働に主に従事する,主婦・主夫業を含む)により,通常の修業年限(2年)を超えて,3年または4年計画で修学できる制度です。2年分の授業総額をあらかじめ認められた修業年限で除した額を各年納付するため,授業料は増額しません(ただし一般学生と同様に授業料自体が値上げされる場合があります)。4年を上限として在学できます。


①入学前申請
入学手続との同時申請によって4年履修と3年履修から選択できます(申請書類を入学手続書類の1つとして送付)。

②入学後申請
修士1年の2月が申請時期で3年履修のみです。入学時から起算して3年間という意味で,修士1年+2年間という計算です。

なお,通常の2年修了で履修できる単位数の上限(= CAP)は半期14単位ですが,3年長期履修では半期10単位,4年長期履修では半期8単位までとなります。長期履修は審査を経て許可されます。

(3)昼夜開講体制,土日開講授業
社会人の就業帰りでも学べるよう平日の5時限(16201750),6時限(18001930),7時限(19402110)に開講する授業もあります。土日開講の授業もあり,特にビジネスキャリア・プログラム(BCP)は土日の集中授業のみで修了可能です。

(4)他研究科の科目履修
本学の他研究科(人間発達文化研究科,地域政策科学研究科,共生システム理工学研究科)で開講される授業については,指導教員および履修を希望する授業科目の担当教員に事前承諾を受け,指定の期間内に申請することにより履修できます。





募集要項

1.アドミッション・ポリシー(入学者受入方針)

(1)経済学研究科の教育目標と求める学生像
経済学研究科は,広い視野に立って精深な学識を修め,専攻分野における理論と応用との研究能力を高めつつ,高度の専門的知識及び能力を養うことを目的としており,修了までに,以下の4つの能力を身につけた高度専門職業人(実務家および研究者)を目指す人材の入学を求めています。
・高度の専門的知識:経済学,経営学,会計学の専門分野の知識
・応用力・実践力:獲得した専門的知識を,経済社会の諸課題に応用し,実践する力
・研究遂行能力:自らの問題意識のもとに研究課題を設定し,必要な情報や知見を
収集・整理し,課題の解決に向けて分析を展開する能力
・論理的思考力・分析力・表現力:蓄積されてきた知見や諸議論を論理的思考のもとに
整理・分析することができ,また,自らの主張・意見を,論理的に説明する能力

(2)入試の際に求める知識・技能・関心
経済学,経営学,会計学の学問体系を基礎とした,実践的応用力のある高度専門職業人を目指す人材として,以下に掲げる知識・技能・関心を有している学生あるいは社会人を求めます。
・経済,経営,会計分野の理論的,実践的諸課題に関する探究心
・大学院での研究の基礎となる当該分野や領域での学力
・大学院での研究に関する明確な問題意識と計画

上記の観点から,一般入試(・専攻所属生対象特別入試)を実施し,加えて,多様な問題意識の志願者に対応するために次の3つの特別入試を実施しています。詳しくは後述します。

①社会人特別入試
社会人としての経験を活かして明確な問題意識をもって研究に励もうとする,意欲的な志願者を対象とする特別入試です。

②商業科・公民科教員対象特別入試
高等学校教育での経験や問題意識を基礎にして,最新の学術知識を修得し教育の現場に還元していこうとする志願者やキャリアアップを図りたいと考える志願者を対象にした特別入試です。

③修士再履修特別入試
明確な目的意識のもとに,これまでの研究成果の上にさらに経済・経営分野の研究を積み上げていこうとする意欲的な志願者を対象にした特別入試です。


2.募集人員

日程
入 試 区 分
専攻
募集人員

一般入試 第I
専攻所属生対象特別入試 第I
社会人特別入試 第I
商業科・公民科教員対象特別入試
経済学
経営学
5人
6人


一般入試 第Ⅱ期
専攻所属生対象特別入試 第Ⅱ期
社会人特別入試 第Ⅱ期
修士再履修特別入試
経済学
経営学
5人
6人

上表A日程の合格者が募集人員に満たない場合,その欠員はB日程の募集人員に加えます。


3.出願手続



出願期間については,[入試情報]のページを参照してください。

願書提出先:福島大学入試課  
9601296 福島市金谷川1番地 ☎0245488064


4.試験日程および試験会場

(1)試験日程

試験日については,[入試情報]のページを参照してください。
試験科目は,次のとおりです。

一般入試   :専門科目,外国語,面接
3つの特別入試:面接

(2)試験会場
福島大学(福島市金谷川1番地)


5.合格者発表

本学入試課前の掲示板および[福島大学入試情報]に受験番号を掲示します。合格者には「合格通知書」および入学に必要な手続・諸経費等を記載した「入学手続の手引き」を送付します。なお,電話等による合否の問い合わせには応じません。


6. 特別入試について

(1)社会人特別入試
・面接,研究計画書(3,000字程度)およびその他の提出書類等を総合的に判断して合格者を決定します。
・面接開始前に志願者の研究計画に関連のある事項について,日本語で文章を作成してもらいます(400字程度,60分以内)。作成した文章は面接の際に資料として利用します。
・志望した専攻に応じて入学後,コースを選択することになります。

【社会人特別入試の研究計画書作成要領】
以下の項目①~③について,全体で3,000字程度となるように作成してください。

① 研究の背景と目的
研究テーマを設定した背景と目的を,これまでの仕事または問題関心と関連させて,具体的に記入してください。研究テーマを設定した背景や目的に関連する参考文献,資料,新聞・雑誌記事等がある場合,それも明示してください。

② 研究方法
①で記述した研究の目的を達成するために,在学期間にどのような手順で研究を進めるのかを,学習計画を含めて,できるだけ具体的に記入してください。また,既に進めている調査法や統計などの分析方法に関する学習,文献あるいは資料調査等の成果があれば記入してください。

③ 研究成果
在学期間に得られた研究成果や能力が,仕事等との関連で将来どのように生かされるのか,支障のない範囲で具体的に記入してください。

(2)専攻所属生対象特別入試
・成績(要卒GPA),研究計画書(3,000字程度)とそれに基づいた面接により合格者を決定します。
・配点:要卒GPA50点,面接100点,150満点
  なお,要卒GPAについては,GPA「4」を50点,GPA「3」を0点とし,GPA4~3の間を比例的に換算し,得点とします。

(3)商業科・公民科教員対象特別入試
・研究計画書(3,000字程度)とそれに基づいた面接,およびその他の提出書類を総合的に判断して合格者を決定します。

(4)修士再履修特別入試
・研究計画書(3,000字程度)とそれに基づいた面接,およびその他の提出書類を総合的に判断して合格者を決定します。


※学生募集要項はこちらからPDFで閲覧可能です。