2016年8月8日月曜日

2016年7月のマクロ的な経済問題(中村勝克ゼミによるレポート)

20167月のマクロ的な経済問題
(中村勝克ゼミによるレポート)


最近、Brexitの影響が一旦小康状態に入ってきた代わりに、経済ニュースでは「日銀によるヘリコプターマネー」が多く取り上げられています。この“ヘリマネ”の話は大変奥が深く、多くのゼミ生もかなり興味を示しているところです。ゼミ内の議論が収束してきたら、今後、このブログでもレポートしていきたいと考えています。
さて、今回は定期試験前ということで期間も短く、75日(火)から726日(火)までの新聞記事が対象となります。日本経済からは「海外送金、数秒で完了 みずほとSBIが開発へ」と、「ソフトバンク、英半導体会社に3.3兆円」という2つの記事。前者がフィンテック絡みであり、後者はIoTに関係したものといえます。また新興国関係の記事として「ASEAN、対中姿勢で亀裂深まる 南シナ海問題」が選ばれています。政治的な側面の強い話題ですが、経済と政治は不可分とのスタンスによって取り上げています。

ゼミにおける議論をベースにしているため、ピックアップされる話題は網羅的にならないこともあります。
内容については、基本的に学生の意見となります。大きな誤り等がある場合はお知らせください。
夏休み期間に入るので、8月分と9月分のブログのアップは休みとなります。したがって次回のアップは,11月の半ば(201610月分のレポートのアップ)です。

【日本経済(その1)】

海外送金、数秒で完了 みずほとSBIが開発へ
(日経新聞・717日の記事参照)

  みずほフィナンシャルグループはSBIホールディングスと共同で、海外送金にかかる時間を大幅に短縮する新システムの開発に乗り出す。金融とITを融合したフィンテックを活用し、数日かかる海外送金を数秒で完了できるようにする。2018年の実用化をめざす。
 新システムは取引参加者が互いの金融取引記録を保有し合う「ブロックチェーン」と呼ばれる技術を使う。いち早く立ち上げれば多くの金融機関の参加が見込めるので、開発競争が過熱しつつある。
 現在、銀行は海外送金する際、送金を受け取るための専用口座(コルレス銀行)などを経由しなければならず、手続きに24日程度かかるほか、手数料も高い。みずほとSBIが開発する新システムは、専用口座を経由しなくても送金できるようになる。数日かかる手続きは数秒で済み、1回あたり数千円の送金手数料も数分の1に減る見通し。新システムの実用化を急ぎ、ほかの金融機関にも参加を呼びかける。
メガバンク3行はフィンテックへの取り組みを本格化させている。その理由は世界各国で広がっている仮想通貨を使った格安で迅速な送金サービスに必要なフィンテックに乗り遅れることへの危機感と、5月の銀行法改正でフィンテック企業への出資制限が緩和されたことだ。また、フィンテックへの取り組みに力を入れているのは地方銀行も同じだ。千葉銀行等は日本IBMと合資会社を設立し、八十二銀行等は研究会を設けた。
フィンテックの開発は急ピッチで進んでいくことだろう。今はフィンテックやブロックチェーンと言われてもよく分からない人がほとんどだろう。しかし、過熱する競争により、フィンテックという技術は想像以上のスピードで我々の生活に身近なものになると考える。今後は利便性の追求はもちろんだが個人情報の流失防止等の安全性の確保にも今まで以上に力を入れてほしい。(アキタ・ケン)

【日本経済(その2)】

ソフトバンク、英半導体会社に3.3兆円
(日経新聞・718日の記事参照)

 ソフトバンクグループは718日、英国の半導体設計大手アーム・ホールディングスを約240億ポンド(33000億円強)で買収すると発表した。日本企業による海外企業の買収金額としては、過去最大である。アームは、半導体の設計に特化した企業で、顧客が1個売るごとに数円から数十円のライセンス料を得る仕組みだ。米クアルコムや韓国サムスン電子など世界の半導体大手を顧客に抱える。スマートフォンの性能を左右するCPU(中央演算処理装置)や通信用半導体の9割以上に使われており、デジタル電子製品の開発で中心的な役割を果たしている。
 なぜソフトバンクは33000億円という莫大なお金を払ってまでアームを買収したのだろうか。そこには、アームの半導体技術を取り込み、あらゆるモノがインターネットにつながるIoT事業の布石にするという狙いがある。ソフトバンクはIoTがさらなる成長を促すと期待しており、自動車や家電、インフラ機器などをネットワークにつなげることで、アームの半導体技術の用途が格段に広がるとみている。
 ソフトバンクによるアームの買収が、両社にとって吉と出るか凶と出るか、今後の動きに注目していきたい。(稲村)

【新興国経済(BRICS、アジア等)】

ASEAN、対中姿勢で亀裂深まる 南シナ海問題
(日経新聞・725日の記事参照)


東南アジア諸国連合(ASEAN)は24日、ラオスの首都ビエンチャンで外相会議を開き、南シナ海問題での中国の主張を否定した仲裁裁判所の判決への対応を協議した。主要国は中国を強くけん制する共同声明の公表を主張したが、中国の意をくんだカンボジアが反発して会議は紛糾。各国は会議終了後も調整を続けたが、同日中の声明発表を断念した。中国の分断工作で生じた亀裂がさらに深まった格好だ。
この会議では、南シナ海の領有権をめぐり中国と激しく対立するフィリピンとベトナムに加え域内で影響力が大きいインドネシアやシンガポール、マレーシアが中国に判決受け入れを求める声明の公表を主張した。共同声明が発表にいたらなかったのは、カンボジアが対中批判につながる文言を全て削除するよう要求しているためだ。ASEANの意思決定は全加盟国の一致が前提で、1カ国でも反対すれば共同歩調をとれない。カンボジアを利用してASEANの分断を図る中国の戦略が透けてみえる。
この後25日に、共同声明が発表されたが中国に対しての直接の言及はなかった。このまま中国に対して何も言えない状態が続けば、中国はますます強気になりこの問題の解決も難航していくだろう。13億を超える人口を支えなければならない中国としては、資源の確保が重要な課題であることは間違いないが、もう少し世界の均衡も考えてほしい。
(ヤマガタ・ケン)


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