2016年6月15日水曜日

2016年5月のマクロ的な経済問題(中村勝克ゼミによるレポート)


現在(615日)、ゼミにおける最大の話題は、何と言ってもBrexit問題(英国のEU離脱問題)です。少額ながら外貨投資をしている本ゼミでは、623日に予定されている英国の国民投票や、その結果がもたらす為替レートの変動等、議論が尽きない状況です。

さて、Brexit問題は一旦おいておきまして、今回は510日(火)から67日(火)までの新聞記事から、学生たちによって日本経済に関する2つのものが選択されました。1つがビットコインに代表される仮想通貨に関係するもので、もう一つは、九州各県のとっている産業政策についての記事です。2つとも、やや「マクロ経済」から離れている感もありますが、今後の財政金融政策を考える際には、十分に留意しなくてはならない問題と捉えています。

ゼミにおける議論をベースにしているため、ピックアップされる話題は網羅的にならないこともあります。

内容については、基本的に学生の意見となります。大きな誤り等がある場合はお知らせください。

次回のブログのアップは7月の半ば(20166月分のレポートのアップ)を予定しています。


【日本経済1】

改正資金決済法・仮想通貨に法規制
(日経電子版・526日の記事、ビットコイン・https://bitcoin.org/ja/Bitcoin日本語情報サイト・http://jpbitcoin.com/ 参照)

改正資金決済法が526日に成立した。ビットコインをはじめとする仮想通貨に対する規制が盛り込まれている。法規制を設けて、悪用防止や利用者保護を行うことを目的とする。これまで仮想通貨を公的な決済手段と位置づけた法規制はされていなかった。

 この改正法では仮想通貨の取引所に登録制を導入することと、口座開設時の本人確認が義務づけられる。さらに、取引所には顧客の資産と自己資産を分ける「分別管理」も求められる。

ビットコインは、最も代表的な暗号通貨の一つである(暗号通貨とは、暗号学を用いた仮想通貨のこと)。ビットコインは中央銀行などの通貨当局を持たない。このことから、従来の通貨や電子マネーなどとは性質が少々異なる。取引はPeer-to-peer(ピア・ツー・ピア)という通信方式によって、ユーザー同士で直接行われる。銀行などのような取引を仲介する機関を必要としないビットコインの取引は、ブロックチェーンという公開取引簿にすべて記録され、すべてのビットコインユーザーによって分散管理される。

中央機関を持たない通貨の電子取引は、不正な取引や取引内容の改ざんを行うことが容易であるように思われるが、ビットコインにはそれらを防止する多くの革新的な仕組みが備わっている。そのためその利便性と相まって、目下急速に普及しているのである。国内でもビットコインの取引は増加しており、2015年度の取引規模は前年度の約25倍である1800億円超となった。(市場の失楽園)


【日本経済2】

九州各県、本社移転へ独自策・社屋取得に補助など
(日経電子版・64日の記事参照)

九州各県が、県外企業の本社機能移転を促すため、独自策を打ち出している。佐賀県はオフィス整備に最高1億円や、本社への出張費用などを補助する。大分県は転勤者1人あたり50万円、鹿児島県は移転経費の半額などを新たに支援する。政府も地方創生の一環として税制優遇などで後押ししており、各県はこれらを熊本地震で影響を受けた地域経済の振興に生かす。

 政府は研究開発や管理業務など本社機能の地方移転に向け、オフィス減税や雇用促進税制の特例措置を設けた。各県が独自策を上乗せし、誘致を競っている。
地方創生と九州の復興の一環として行われる政策だが、本当に東京などの大都市から本社を移転する企業は現れるのだろうか。東京は人口が多く、大企業が取引に利用することの多いメガバンクの支店が豊富であること等、本社を設置するのに必要な環境がすでに整っている。一方、九州を始め地方では、人口が少ないこと、交通の便が良いとは言えないこと等、東京と比べると不利な点が多い。

また、過剰な誘致合戦が始まると地方各県の財政を圧迫しかねないのではないだろうか。仮に、本社移転が起こり始めたとしても、財源が豊富な東京が本社移転をくい止める独自策を打ち出しかねない。現状では、体力のない地方は東京をはじめとした大都市との誘致合戦に負ける可能性の方が高いと考えられる。本社移転の流れは起こらない、または(起きたとしても)本社設置の環境がある程度すでに整っている地方中核都市までに留まるだろう。(アキタ・ケン)


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