2015年1月16日金曜日

専門演習紹介:飯島充男ゼミ・飯島ゼミの活動報告その3

菊池 圭太郎(3年)

株式会社ジェイラップは、元農協職員の伊藤俊彦さんを中心に1995年に設立されました。会社の外観は農業施設というより、工場のような雰囲気で定温倉庫や乾燥加工工場、放射能測定設備などの大規模な設備が特徴的です。主要な事業としては個別の農家や農業団体からの農作業の受託業務や農産物の加工、生産管理、集出荷、販売等の事業を展開しています。また、栃木、新潟、熊本、長崎にも営業所を有しており、全国的にも事業を展開しています。


ジェイラップは、徹底した効率性を重視し、農産物市場においても大きな存在となっていることから、普通の農業団体というよりも、企業としての色合いが強い印象を受けました。




これまで、私たちのゼミのフィールドワークでは、グリーンツーリズムによる地域活性に成功している地域を見てきましたが、大規模に事業を展開する農業を見る機会はあまりなかったため、今回の経験は刺激になったのと同時に農業に対する希望を感じました。ゼミ生からの反響も大きかったので、ここではゼミ生のコメントの一部を紹介したいと思います。


  • 米価下落への対応、放射能汚染への対応といった様々な取り組みを行い、そのなかで、「自分以外の者のために何ができるか」「当たり前を当たり前にしない」といったことを心掛け、常に新しいことに挑戦しようとしている姿勢が印象的だった。
  • 施設や設備だけでなく、土や肥料を自ら生産していることに感銘を受けた。化粧品を生産する際の廃棄物を利用する等、独自の視点からの工夫と努力を所々に見ることができた。また、よりおいしく、安全な作物を作ろうとする熱意を強く感じ取ることができた。
  • 代表のカリスマ性が凄かった。農業に新たな風を起こして、これからの日本の農業はこのような取り組みを見習っていくべきだと強く思った。農業には夢がある、そう思わされる訪問だった。
  • 非常に幅広く事業を展開しているということが強く印象に残った。農業というと、地味なイメージを持たれがちだが、実際には多くの可能性を秘めていることを感じた。今回の見学は自分の農業に対するイメージを大きく変えるとてもいい経験になった。
  • 農業や農作業するだけが仕事ではないことを改めて実感した。通常なら他社の既存のサービスから選ぶものも、自分たちが満足できなかったらWeb型栽培管理システムを独自に開発したり、放射能測定器を他の団体と協力して改良するといった行動力と妥協しない信念が人気である理由の一つだと感じた。
  • 消費者に安全でおいしい食材を届ける努力と農家の生産量アップなど、消費者と生産者両方への取り組みを個人から始めていてすごいと思った。このようなイノベーションをしていく人が社会を引っ張っていくと実感した。

ゼミ生の感想は、これまでの認識が変わったという趣旨が多く、私自身も農業に対する可能性を感じました。福島県の農家は、放射能の問題、2014年度産の米価暴落、経営所得安定対策の対象要件の変化の三重苦への対応に迫られていますが、ジェイラップの経営は、これらの問題に対応するだけの力強さを持っています。国内の農業団体や農家の全てがジェイラップのような攻めの農業を展開していくのは、困難であり、現実的ではないかもしれません。しかし、ジェイラップの取り組みは、衰退しつつある国内農業を勇気付けるものであると今回のフィールドワークの中で実感しました。

提供:飯島ゼミ