2014年9月2日火曜日

伊藤 宏(教授・就職支援委員長):最近の就職事情について

※同窓会報『信陵』No.85(2014.4/25発行)転載記事

伊藤 宏(教授・就職支援委員長)

平成24年度(平成25年3月卒業生)の経済経営学類の就職率は99%(留学生を除く)でした。平成25年度の就職率はまだ最終集計が出来ていませんが、引き続き高い水準を維持しております。復興需要やアベノミックスの影響も少なからずあるとは思います。就職先の業種を見てみますと、平成24年度は公務員が27%、金融・保険業が23%で、この2業種で約半数を占めています。


公務員に就職した者の9割が地方公務員で、国家公務員は1割です。相変わらず、安定志向・地元志向が強いと言わざるを得ません。公務員志望の学生では、国家公務員・国税専門官等の試験に合格しても、地元の市役所や県庁に合格すれば、市や県を選択する場合が多いです。長男・一人っ子が多いことと無関係ではないですが、もう少し「広い視野」を持って欲しいとも感じています。

昨年の秋の大学祭では「保護者のための就職セミナー」を担当させていただきましたが、200人以上の保護者の方が参加されました。また、同じ時期に福島市内の県立高校のPTAの会に招かれ、「大学生の就職事情と親の役割」というテーマでお話をしました。いずれの会も、本当に真剣に話を聞いていただきました。大学生向けの就職ガイダンスの学生の真剣さに勝るとも劣らないものでした。会社説明会に保護者も付いて行くなんて、我々の時代では考えられなかったことが現実に起きています。

子供の就職活動に「親は基本的には口を出すべきではない」と私は考えています。もちろん、子供から助言を求められればその限りではありませんが。子供の就活期間における親の役割は「やさしく見守ってあげること」だけだと思います。しかし、就活期間に入るまでに親がすべきことはたくさんあります。例えば、就職活動では非常に重要な「挨拶」・「言葉遣い」・「社会常識」は家庭で日常的に身に付けることが出来るものです。また、最近の就活で採用する側が最も重視する「コミュニケーション能力」の基礎も家庭内・親子間の日常的なコミュニケーションで培われます。親とうまくコミュニケーションが出来ない学生が、「初対面の大人」とうまくコミュニケーションが取れるはずがありません。

就職活動を機に親子関係をお互いに見直してみてはいかがでしょうか。このことが「コミュニケーション能力」向上の出発点になるかもしれません。