2014年2月7日金曜日

中村勝克ゼミ: 2014年1月のマクロ的な経済問題(ゼミレポート)

※中村勝克ゼミによるレポート  

今回は1月7日から1月28日のニュースをピックアップしました.
現在どのような経済問題が注目されているのか.中村勝克ゼミでは、毎週、「日本経済」、「先進国経済」、「新興国経済」に関する各紙の新聞記事を持ち寄ってディスカッションをしています。その中でも特に重要と考えた話題をピックアップし、このブログで月ごとに報告していきます。
※ゼミにおける議論をベースにしているため、ピックアップされる話題は網羅的にならないこともあります。
※内容について大きな誤り等がある場合はお知らせください。

【日本経済】

[1月28日報道]貿易赤字 最大11.4兆円(読売新聞・日経新聞参照)
財務省が27日発表した貿易統計によると、2013年の貿易収支は11兆4745億円の赤字で、比較できる1979年以降で最大となった。輸入額が前年比15.0%増の81兆2622億円と最大で、前年より円安に振れたことで火力発電用の液化天然ガス(LNG)や原油の価格が上昇した。輸出額も9.5%増の69兆7877億円と3年ぶりに伸びを見せたが、リーマン・ショック前の水準には達していない。生産拠点の海外移転や日本企業の競争力低下により、輸出が伸びにくくなっているためだ。原発停止の長期化も相まって、貿易赤字は今後も長引くとの見方が強まっている。(やまでん)

[1月28日報道]法人実効税率25%早期実行を(日経新聞・産経新聞・河北新報参照)
経団連の次期会長に就任する東レの榊原定征会長は1月27日、現行で約38%(東京都の場合)の法人実効税率の引き下げに関して、アジア諸国並みの25%近くまでの引き下げの早期実行を求め、政府への働きかけを強化する意向を示した。実効税率引き下げのために必要な財源確保について、特別業界の税負担を減らす租税特別措置の見直し議論は避けられないとの声が多い中、榊原氏は「経済が拡大すれば、税率を下げても税収は増える」とし、課税ベース拡大には慎重である考えだ。
次期経団連の課題として、現段階でやや疎遠となっている安倍政権との関係修復や、民主党政権発足後の2010年に中断した政治献金への関与を再開するかどうかの決定などがある。また、政府間の交流が停滞している中韓両国との関係については、事業活動を通じた関係は非常に良好であるとし、政府状況はどうであれ、今まで以上の関係強化を目指すと述べた。
今後法人実効税率は復興特別法人税の前倒し廃止に伴い、4月から約35%になる見通しだ。榊原氏は、アジア諸国並みの25%程度に引き下げることで、国内外からの投資を活発化させることが重要であると主張している。(TM)

********************

【先進国経済(北米、欧州等)】

[1月11日報道]12月の米雇用統計、市場予測下回る(日経新聞・ブルームバーグ参照)
米労働省が発表した2013年12月の雇用統計によると雇用者数は7万4000人の増加となり、失業率は0.3%改善して6.7%となった。市場の事前予測の中央値は約19万7000人であり、市場予測を大幅に下回った。しかし、一時的な調整との見かたもある他、寒波の影響など天候が悪くなったことも雇用者数の伸びに影響したとの見方もある。雇用者数の内訳ではパートタイム等の派遣業が多いという課題もあり、FRBが緩和縮小へ向けて動いている中で、このような課題にどう対処するかが注目される。(野内)

[1月23日報道]米、最低賃金引き上げへ(日経新聞、ロイター参照)
オバマ米大統領は1月下旬の一般教書演説で、2期目の経済政策の柱の一つとして、連邦法が定める国内最低賃金の引き上げを表明する方針を固めた。経済格差の是正と、低所得層の収入増による消費拡大や経済政策を前面に掲げ、支持率の回復を狙う。ただし、最低賃金の引き上げに動いた場合、企業が合理化を進めてかえって一部の労働者が職を失うことになるとする予測もある。(bourbon)

********************

【新興国経済(BRICS、アジア等)】 

[1月11日報道]中国貿易総額世界一へ(毎日新聞、読売新聞参照)
中国税関総署より10日発表の貿易統計によると、輸出と輸入をあわせた貿易総額は4兆1603億ドルだった。国別ではASEAN諸国との貿易量が特に拡大しており、日米欧の割合は縮小した。今春のWTO統計の発表で米国を抜いて正式に首位となる見込みである。
また、貿易総額は前年比で7.6%増であったものの、政府目標の8%には満たなかった。今後は人件費や人民元の上昇による競争力低下、過剰な生産や投資が影響して貿易の伸びは緩やかとなる見通しだ。高付加価値製品の生産・輸出によって「貿易の質」を向上させる方針であるが、国内企業による海外移転の進行や対日貿易の悪化が懸念材料とされる。(H.N.磯野) 

[1月26日報道]新興国通貨安  米緩和縮小の影響か(読売新聞・毎日新聞参照)
アルゼンチンで通貨が下落し、新興国経済への懸念が強まっている。背景には、米の量的金融緩和の縮小により、市場の資金が減り投資資金が引き揚げられると懸念されたことがある。通貨安の発端は、中国の2013年のGDPが伸び悩んだことや、アルゼンチン通貨ペソがドルに対して約12%下落したことなどである。28~29日の米連邦公開委員会では一段の縮小が決まったので、新興国経済のさらなる影響を与えるかもしれない。(双子座流星群)

提供:中村勝克ゼミ