2014年1月17日金曜日

中村勝克ゼミ:2013年12月のマクロ的な経済問題(ゼミレポート)

中村勝克ゼミによるレポート

現在どのような経済問題が注目されているのか.中村勝克ゼミでは、毎週、「日本経済」、「先進国経済」、「新興国経済」に関する各紙の新聞記事を持ち寄ってディスカッションをしています。その中でも特に重要と考えた話題をピックアップし、このブログで月ごとに報告していきます。
※ゼミにおける議論をベースにしているためピックアップされる話題は網羅的にならないこともあります。
※ 内容について大きな誤り等がある場合はお知らせください。

【日本経済】
[12月7日報道]原発「ゼロ」から転換  新エネ計画原案提示(読売新聞・日経新聞参照)
政府は12月6日、中長期的なエネルギー政策の指針となる新たな「エネルギー基本計画」の原案を経済産業省の有権者会議に示した。原子力発電を「重要なベース電源」と位置づけ、民主党政権が掲げた「原発稼働ゼロ」を目指す方針を転換するとともに、電力の安定供給、温暖化対策、燃料費の抑制の3つを同時に満たす原発を再評価する。その一方で、電源のうち原発をどれくらい使うかという「ベストミックス」の明示は先送りするなど課題も残した。(大石)

[12月14日報道]企業の海外進出加速のため、5年前に比べ円安の効果が出にくく。(日経新聞・ロイター参照)
円安には、効果と副作用の両面がある。過去5年間の急速な円高を受け、日本企業の間では生産拠点を海外に移す動きが加速した。その結果、円安が進展しても輸出数量の回復は思うように進まず、一方で液化天然ガスなどエネルギー関連の輸入数量は増加したため、2013年7~9月期の貿易赤字は2.9兆円となった。日本経済は、円安効果が出にくく、副作用が出やすい構造に変化しつつある。(アルパカ公爵)

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【先進国経済(北米、欧州等)】
[12月7日報道]米11月の雇用統計で失業率改善(日経新聞・ロイター参照)
米労働省が6日発表した11月の雇用統計によると、景気を敏感に反映する非農業部門の雇用者数は前月に比べ20万3000人増えた。失業率も0.3ポイント下がり、7.0%と5年ぶりの低水準になった。雇用者の増加は幅広い業種で確認されたほか、時間当たり賃金が上昇、平均週間労働時間も増加した。失業率が下がるのは2カ月ぶりのことであり、政府機関の閉鎖終了で11月に政府職員が再び職場に戻ったことが主因とされる。(bourbon)

[12月12日報道]スペイン・イタリア国債利回り低下(日経新聞参照)
長期金利が高止まりしていたスペインとイタリアで国債利回りが低下し、欧州債務危機以前の水準に近づいてきている。両国とも国債利回りが4%前後に低下し、ドイツ国債との利回り格差も縮まってきている。両国とも景気後退からの脱却が見え始め、投資家心理が改善し、投資家の資金が南欧諸国にも回帰している。(野内)

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【新興国経済(BRICS、アジア等)】
[1月3日 他]台頭を始めたイスラム市場(読売新聞・Nikkei BP net等参照)
近年、急速な人口増加を遂げているイスラム圏が注目されている。世界のイスラム教徒は約19億人と言われ、今後も非イスラム教徒の2倍の速さで増加する見込みだ。このためイスラム圏の市場(イスラム市場と言う)は、新規市場開拓を狙っている企業の注目の的となっている。
特にイスラム圏の食品市場は50~60兆円規模と言われており、日本企業も参入し始めているが、そこで壁となるのがハラルである。ハラルとは、食品ではイスラム法で禁じられている豚肉やアルコールなどを含まない商品であり、ハラル以外の商品を輸入しないサウジアラビアなどの厳格なイスラム国家も存在する。またハラルは食品以外の分野にも広がっており、各国企業がイスラム市場に参入するためにはハラル商品である必要がある。
イスラム市場にはこのハラルの様な問題も存在しているが、拡大するとみられているイスラム市場は今後の世界経済を見ていくうえで重要なファクターとなるだろう。(忘れん坊)

[12月2日 他]東アフリカ共同体が共通通貨導入へ始動(日経新聞・アフリカビジネスニュース・日本貿易振興機構ホームページ参照)
東アフリカ共同体(EAC)に加盟するブルンジ、ルワンダ、ケニア、ウガンダ、タンザニアの5カ国の首脳は11月30日、共通通貨の導入に向けて10年以内に通貨同盟を設立するとの協定に署名した。2010年には関税同盟を発足し、さらに現在EUとのEPA(経済連携協定)締結に向けて交渉を進めるなど経済圏拡大を進めている。
EACによると5カ国合わせた人口は約1億3500万人、国内総生産(GDP)の合計は約850億ドル(約8兆7千億円)である。予想では、人口が2020年には1億7,376万人に、2030年には2億1,360万人にも人口が増えると見込まれている。さらに南スーダンがEACへの加入に非常に意欲的な姿勢を見せているなど、現行の5カ国から加盟国が今後増えることも十分に考えられる。
通貨統合のメリットとしては、単一の共通通貨で貿易を行うため為替市場取引が不必要になるため取引費用の削減が可能になることで今後さらに域内貿易の向上が可能になる。
しかし実際に共通通貨を導入するためには、各国に安定した財政状況及び金融政策が求められる。EACでは最低でも4ヶ月間インフレ率が5%以内、財政赤字額が対GDP比で6%以内を維持することを前提条件に掲げている。さらにEAC域内でも非関税障壁や脆弱なインフラ、などまだ課題も残されている。(ジン)