2013年1月21日月曜日

経済経営学類創立90周年に寄せて 被災地大学の使命

※同窓会報『信陵』No.82 (2012.9/15発行)転載記事




真田 哲也(経済経営学類長)


経済経営学類の前身である、全国7番目の高等商業学校が福島の地に作られ本年で90周年を迎えました。母校とともに永い歴史を歩んで来られた同窓会にたいして心より敬意を表するものです。またこのような節目の時が同時に東日本大震災・福島原発事故の傷が癒えぬなか新たな課題と取り組む時と重なることに、学類長として責任の重さを痛感する次第です。

被災地の大学として取り組むべきことは大きく2つあると考えます。1つは当面する地域復興に関わる諸課題に研究・教育面で貢献していくこと。2つ目は研究教育機関の本来的機能を今日的条件の下で遂行し未来を担う若者を育て地元や日本の発展に貢献していくこと。いずれも容易ならざる課題ですが、現在取り組んでいる課題の一端について紹介させていただきます。

まず大学院について紹介します。経済学研究科は昭和51年度の開設以降、研究者養成・専門的職業人育成を目指し、現在は経済学専攻・経営学専攻の2専攻が設置されています。近年は社会人リカレント教育の比重が高まっており、その方面でのニーズに答えるべく様々な改革を行ってきました。社会人の方々の最大の悩みである、仕事との両立を可能とすべく、予め時間割を決めずに受講者と教員との間で時間を折り合わせて決める方式や昼夜開講方式をとっているほか、現在では一部科目で土日開講も進めています。

また2年分の授業料で3~4年間での修了を可能とする長期履修生制度導入、通学の便を配慮して経済県都の郡山駅前に大学院教室の開設、ビジネス現場からの客員講師招聘による最新の事例研究・動向紹介、社会人の方が職務などでの実務経験を中心に課題を設定し報告書を提出することで修了できるコースの新設、などに取り組んできました。

これに加えて、来年度より新たに2つの教育プログラムを始めます。「会計税務プログラム」と「地域産業復興プログラム」です。前者は地元税理士会のご協力を得ながらより専門的な知識を身に着けていく受講プログラムです。後者は浜通り自治体との協力協定などを踏まえ地元のニーズに応え、地元復興に貢献する人材育成のプログラムです。

学類では、従来のカリキュラムを見直し来年度より新カリキュラムを導入します専門科目をより早期に学習できるようにするほか、少人数教育をより徹底し途切れなく4年間一貫の体制とします。さらに、簿記検定などの資格をもった学生には「飛びセメスター」を認める「会計エキスパートコース」を設定します。そのほか、海外インターンシップの取り組みなども始まっています。

また地域貢献として、一般社団法人志友会とのコラボレーションによる無料市民公開講座「福島起業塾」を来年3月まで月2回程度、金曜夜にコラッセふくしまで開講しています。

以上、学類と研究科の主な取り組みについてご紹介しましたが、世界政治経済が激動する状況下で迎えた90周年が「新たな創立」であるとするならば、なお取り組むべき課題が残されております。同窓会諸先輩からのご指導を頂きながら今後の歴史を切り開いてまいりたいと考えます。


提供:沼田大輔准教授(2013年1月)