2012年5月7日月曜日

学類長からのメッセージ:「震災前の福島に戻すんじゃなくて、もっと繁栄させたい」 創立90周年度の新入生とともに新たな歩みへ

※同窓会報『信陵』 No.81 (2012.4/15発行) 転載記事


真田 哲也 (経済経営学類長) 



新入生のみなさん、入学おめでとうございます。また東日本大震災で被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。 


「復興に貢献できるような進路を見つけたい。震災前の福島に戻すんじゃなくて、もっと繁栄させたい」(日刊スポーツ3月7日)。経済経営学類への入学が決定したある新入生の言葉です。また別の新聞では次のような声がありました。「放射能への心配から県外に進学するか、迷った時期もある。しかし、除染活動や学内の放射線量を熱心に広報する大学の姿勢に不安が消え『むしろ地元に残って復興に加わりたい思いが強まった。……他の地域の人が思うほど福島の日常生活や明るさは変わっていない。大学では除染技術を研究したい…… 』」(朝日新聞3月7日)。 

私たち教職員は新入生みなさんの言葉に大いに励まされています。高い志(目標)を持ってこの大学への進学を選択してくれた新入生の皆さんの言葉に出会え、私たち教職員はいっそう心を強くしています。この期待に応えて、新入生のみなさんが充実した大学生活を送れるよう教職員一同いっしょに頑張っていきたいと、決意を新たにしています。 

地域復興への強い気持ちは〈新たな創立〉への原動力 

今年は経済経営学類の前身となる福島高等商業学校が創立され90年を迎える記念すべき年です。震災・放射能汚染の苦境の中で迎えた90周年ですが、新入生たちの力強い発言はこれからの新たな歴史を開いていく力の所在を示していると思います。そしてそのことが経済経営学類創立90周年への最高の祝意です。この節目にあたって経済経営学類は「新たな創立」を自覚し新たな展開を目指していく決意です。それは原発震災からの復興であり、また地域に根ざすと共にグローバルに発想し行動できる人材の育成です。

地域の復興に向けた大学の役割は多面的です。放射線マップ作り、除染支援・避難者支援・地域の産業復興計画策定など原発震災の被害に対してすぐに役立つ直接的な支援を進めていかなければならないのはもちろんのことです。同時に、人材育成の課題は現在の直接的課題に取り組む人材の育成に留まるものではありません。地域の長期的持続的発展を視野に入れた各分野での人材育成も大切な課題です。研究面での多面的な展開も必要であり様々な大学の基本機能を維持・発展させることは不可欠の基礎的課題です。両者が相まって地域の復興に貢献するものと考えます。

自分で課題を発見し取り組むこと

さて、冒頭に紹介した言葉のように、新入生の皆さんは、本学での勉強に様々な期待や夢を抱いているでしょう。そこで、ここでは、大学での新たな一歩を始めるにあたって、これからの大学生活でどんな力を身につけていくべきなのかについて、私から皆さんへのメッセージを書きたいと思います。

大学は高校までの勉強とは異なり「自分で問題を発見しそれを探求していく」という点に特徴があります。そのためには「深く知りたい」という自分の気持ちを大切にしてください。入学したら、自分が深く知りたいテーマはなにか、それを見極めることに集中しなければなりません。そのために大学の講義や読書が不可欠です。きっと様々な授業科目や書籍のなかに自分のテーマを発見するヒントがあるはずです。2年になるとそれにしたがって専攻と演習の所属を決め、4年になったら「卒業論文」を書くことになります。大学生活のゴール=「卒業論文」に到達するためには、まずなんらかのテーマと出会うことがどうしても必要です。大学生活の基本線はこの「出会い」にあります。この出会いを通じて現実の問題に取り組んでいく方法や見方を身につけ自分を成長させてください。みなさんが成長し実力をつけていくことそれ自身を地域社会は求めています。地域に貢献するということにはいろいろなルートがあり30年後に地域に貢献する人も大事な存在です。

人間の成長と能力の開花は息の長いものです。一人ひとりが自分の個性を大切にしてそれを生かす道を探求してほしいと思います。

皆さんがその道を見つけられるよう、皆さんと一緒に勉学できるのを楽しみにしています。一緒に地域復興に参画しましょう。そのことを通して地域復興に参画していくことが大切です。


提供:沼田大輔准教授(校内放射線計測機器)
























<コラム>

写真は、沼田大輔准教授のゼミの4年生の大山君が卒業論文作成のため、福島駅東口の花見山号のバス乗り場で、花見山の観光に訪れた人へのアンケート調査を、複数の学生の協力を得ながら、福島大学のジャンバーと腕章を着用して、おこなっている様子です。(2011年4月21-22日 沼田准教授 撮影)


提供:沼田大輔准教授


 












提供:沼田大輔准教授