2012年2月27日月曜日

井本 亮 (准教授)海外レポート:海外在住者にきく「海外の目から見た福島」

※『Gyroジャイロ』(http://www.worldvillage.org/) Vol.110. 2011年12月号(公益法人福島県国際交流協会広報紙)の転載記事。(福島県国際交流協会の転載許可済み)。

海外では、震災のあった福島に対してどのようなイメージが持たれているのでしょうか。今年9月からオーストラリア・ブリスベンに在住する福島大学経済経営学類准教授の井本亮先生(現在クイーンズランド大学客員研究員)にお話しを伺いました。(2011年11月9日取材)
提供:井本亮准教授(クイーンズランド大学)
――ブリスベンの街の様子について教えてください。
ブリスベンはクイーンズランド州の州都で、オーストラリア大陸の東海岸のほぼ中央にあります。シドニー、メルボルンに次ぐ第3の都市で、ブリスベン川沿いに広がるとても住みやすい街です。亜熱帯の過ごしやすい気候ですが、昨年1月には甚大な洪水被害を受けました。自然災害の多い土地とあって、災害時の行政の対応は素晴らしく、市民からも高い評価を得ています。



――震災に関して、オーストラリアの人々の反応はいかがですか。

周りの人に聞いた震災以降の日本・福島の印象を簡単にご報告します(個人の見解であることをご了解ください)。
震災当初はその現実とは思えない光景に衝撃を受けたといいます。その後すぐに人々の厚い経済的・人的支援が日本に寄せられました。同時に、原発事故については、技術大国である日本でなぜこのようなことが起こったのかという疑問もあったそうです。現在、オーストラリアでは日本・福島への渡航・訪問を自粛させる勧告等はありません。

現状はかなり正しく理解され、根拠のない噂や流言は聞かれません。国際結婚をして、クリスマスにいわき市の義理の家族を訪ねるという人もいます。「来なくていい」と言われたそうですが、家族だから会いに行くといいます。
 

――今回の出来事がオーストラリアの人々に与えた影響などについて教えてください。
オーストラリアでは環境問題に特に関心が強く、原発事故を環境汚染と見る人もいます。環境負荷が低いという原発のイメージはもはやありません。原発を持たない一方でウラン輸出は続けているというお国事情もあり、日本の原発事故は国の資源政策にも影響を与えるだろうといいます。


オーストラリアは個人の意思・判断が尊重される社会です。多文化共生社会ブリスベンで人々は自分の判断で行動する自由と責任を享受しています。未曾有の情況におかれた今の福島でも、個人の自由な判断・選択・行動を認め合い、その上で協働する姿勢が必要です。お互いの価値観を尊重する社会の一員としての姿勢が今の私たちには求められていると感じています。


※なお、上記の記事は、Gyro Vol.110のページのpp3-4 (
http://www.worldvillage.org/fia/data/gyro110_2.pdf)でご覧になれます。

提供:井本亮准教授(ジャカランダの花)