2011年10月11日火曜日

厳 成男(准教授):新任教員あいさつ・私の中の「東北」

※後援会報  第42号(2011.8/52発行) 転載記事

厳 成男(准教授)

平成23年4月より福島大学経済経営学類に着任しました厳成男(ゲン セイナン)と申します。専門は社会経済学、中国経済発展論であり、本学ではアジア経済論、社会開発論などの講義を担当いたします。最近は、東アジア労働市場における「安全性の向上を欠いた一方的拡大」の実態、弊害、およびその解決に関する比較研究を、フレキシキュリティの枠組みに基づいて行っております。

私はもともと「中国の東北」出身で(故郷は中国・北朝鮮・ロシアの三ヵ国領土が隣接している延辺朝鮮族自治州というところです)、寒さには強いが暑さには弱い体質になっています。今回は、縁あって「日本の東北」に移り住むことになりましたが、気候だけではなく、豪放な性格や温かい心など、中国の東北地域と多くの共通点があるところに少しほっとしています。3月11日の東日本大震災は、日本の東北地域に甚大な被害をもたらしましたが、最近における周りの「東北人」の災害対応や復興に向けた取り組みを見ながら「これぞ東北人」と、感慨深く感じています。

特に、福島県は地震と津波の被害だけではなく、原発事故による放射能被害にもあっていますが、黙々と自分の仕事をこなし、自分の社会的責任を果たしている周りの人々を見て、東北の復興は絶対に成し遂げられると心の底から思っております。もっとも驚いたのは、第1回目の教養演習で学生さんに自己紹介をしてもらったのですが、大学の入学式が遅れた約1ヵ月の間に、ボランティアに参加した学生が何人もいたことでした。自分も被災者でありながら、地域や故郷のために何かをしたかった、という話を聞いて、弱冠18歳の彼(彼女)たちがとてもたくましく見えました。このような支えあい、助け合いの精神こそ、今後の東北地域の復興にもっとも必要なものではないでしょうか。
 
「中国の東北」に生まれ、「日本の東北」において、「アジアの東北」地域を研究対象とする私にとって、「東北」は自分のアイデンティティを形成する上で欠かせない存在であります。これからの「日本の東北」地域における大震災から復興への取り組みと成功の経験は、私の故郷である「中国の東北」地域のみならず、「アジアの東北」地域、さらには世界のすべての国々に多くの示唆を与えることになるでしょう。微力ではございますが、福島大学での教育と研究を通じて、東北および福島の復興とその経験の世界に向けた発信に貢献していく所存でございます。ご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。


提供:写真部








写真は、2011年8月6日に行われたわらじまつりの様子です。





提供:写真部







写真は、2011年7月16-17日に仙台で行われた東北六魂祭の様子です。