2011年10月28日金曜日

ダボス会議に参加して

大越 護 (経済経営学類2年)


今回、震災を受けて、特別に夏季ダボス会議に招待されました。

日本にもゆかりのある港町・大連にて開催され、158ヵ国から1530人が、日本人は小島順彦・三菱商事会長、近藤昭一・前環境副大臣を始め、過去最多となる120人が参加しました。

また学生が夏季ダボス会議に参加するのも初めてのことであり、私が参加したセッションは原発に関するセッションで、小島順彦三菱商事会長や、中国、サウジアラビア、フランスの人など6ヵ国の人が目の前で話していました。彼らの意見を聞いていて、全員に共通していたことは、原発はやはりなくてはならないものであるということです。中国の人が少し風力発電などの再生可能エネルギーを進めていくと言っていましたが、それも中国だけでした。

3日間で計110に上るセッション(討論会) が、それぞれのテーマに合った世界の専門家を集めて行われました。1つのセッションは60分で、5人前後のパネラー、1人は司会者で40分パネラーの人たちが話してそのあと20分質問時間があります。私は最後に質問をする予定になっていたので、自分の質問を確認することで頭がいっぱいになって、話を集中して聞けなかったのがとても残念でした。また質問したくとも、私の他にも質問したい人がたくさんいて、なかなか自分を司会者が指してくれなかったのですが、何とか司会者と目配せして、指名してもらい、ある程度世界の人たちに向かって拙い英語で質問できました。


●質問内容

福島大学経済経営学類、大越護です。今回、震災を受けて、特別に夏季ダボス会議に招待されました。私は原発による放射能の影響で、食べ物の安全の保障が失われ不安な生活を送っています。そこで3つ重要だと思っていることがあります。一つ目は原発の安全性を高め、決して今回のように生活が脅かされないようにすること。二つ目は、多様な再生可能エネルギーなどを進めていくこと。最後にエネルギー効率を進めていくことです。2つ質問があります。ひとつはどのようにバランスの取れたエネルギー政策の議論を行うべきか。二つ目に、どのように限りあるエネルギーを効率的に消費していくことができるのか、という事です。

予想外にも時間がないのであなたの考えを述べて下さいと言われてしまったので、「私は今回福島でのような事故が世界のどこにも起こってほしくありません。人間が生きていけるのも安全な食べ物があってのことです。だからこれから安全なエネルギーの開発を進めていってほしいと思います」と言いました。

●一番印象に残っている行動・活動そしてそれがどういう影響を与えたか

私が一番印象に残っていることはエアン・ショー氏のお話を聞いたことです。私はエアンショウ氏から以下のことを学びました。

彼の人生は決して、恵まれた環境ではなかったのですが、自分で努力を重ね、また足りないところは、人の力を借りて成功しました。彼のようにすごい人でも、人の力を頼っていて、人の力を借りることは恥ずべきことでないことが分かりました。自分だけではどうしても限界がありますが、人の力を借りれば可能性は無限に広がります。

二つめはどんなに辛い経験があっても、リスタートを切ることの大切さです。環境が変わったり、失敗したりすることがあるかもしれませんが、そんな時は落ち込んで、引きずるのではなく、そこからまた自分の新たな出発として考えたいです。

三つ目は常に挑戦し続けることです。目標を3段階(短期、中期、長期)に決め、一つずつ、こなしていくことが大切だと思いました。

これらの三つのことから、今回のような震災に見舞われ環境が変わってしまったとしても、そこで悲観的になって現実から目をそむけるのでなく、東北の復興にはどうすればいいのかを考え、そしてよりよい福島を作るために行動しなければならないと思います。


●ダボス会議に出て変わったこと

私は今まで受験勉強などを通じて、人に頼るよりも自分一人で考え行動することが大切だと思っていました。しかし社会では大きなことをやるには、一人でやれることは限界があり、多くの仲間が必要だとわかりました。そして、リーダーになる人というのはエアン・ショー氏のように色んな背景を持っていて必ずしも最初から恵まれた環境に育った人ばかりとは言えません。しかし、彼らは人に頼るということに対して、恥ずかしいということを感じませんでした。このことから、恥ずかしがらずに人に頼ることが必要だということを教えてもらいました。

また、今回の会議で自分のここが良かったと思える事と、ここがまだ駄目だと思った事が分かりました。良かったところは、相手の方が外国人であろうと、竹中平蔵氏など自分より地位の高い方であろうと質問をすることや意見を言うことに対する、ためらいや恥ずかしさを乗り越えて意見を言えた事です。一方、自分の直さなくてはならないことは、自分と考え方や価値観の異なる人に対して、接し方が分からなかったことが有りました。これから、もし出会った人が日本人ではなかった場合そういうことが多いかもしれません。これからは自分と同じような人とばかり一緒にいるのではなく、違うタイプの人ともうまくいく方法を見つけたいと思います。


●具体的に行動したいこと

私はこれからやっていきたいと思っていることが二つあります。一つ目は、福島、東北県人は都会と違って他大学生との交流が薄く内向的です。私は視野を広げたいと思い、今回のダボス会議で中国へ行かせてもらいました。また、ダボス会議の直前には私費でデンマークに行ってきました。ダボス会議では特にグローバルに活躍している経済人などと会話し、交流することができました。大学に帰り、所属するサークルやゼミで、学校という狭い枠内にとどまらずに世界的な視野をどんどん広げていって欲しいということを、大学の人や友達、サークルなどでもっと多くの人たちに、伝えていきたいと思います。

二つ目は今回世界中のリーダーと出会ったことで、世界のリーダーたちは、多くのことを知った上で包括的に考えることが出来ていた事を学びました。そして各国のリーダーたちのようになりたいと思い、自分も多くの知識を勉強していきたいと思いました。私は、現在福島の産業について関心を持っています。しかし今はグローバル社会であり、福島の問題を考える上で世界のことも考える必要があります。大事なことは、日本と世界の関係そして、日本の中で福島が占めている役割を知ることです。それを学んだ上で自分がどのように地方の雇用や産業を作るべきか、貢献をしていくべきなのか、福島のためになるのかを見つけていきたいです。

最後になりましたが、今回ダボス会議という2度とないような機会を頂けたことに、野村證券さんと西川先生、その他支えてくださった方々に感謝の意を伝えたいです。



写真提供:大越 護 氏