2011年10月21日金曜日

専門演習紹介:真田哲也ゼミ・ゼミ合宿体験記

小鹿 暢也(真田哲也ゼミ生)

1.あっという間に過ぎた一年
二年の夏休みから真田ゼミで活動を始め、本当にあっという間の一年間だったと思います。去年の夏合宿に参加した時は、当然ながら知識もないに等しかったので、先輩方の報告の内容もほとんど理解できませんでした。当時の私は「本当に先輩方のような報告が一年後にできるのか」と不安でした。

十月から本格的なゼミ活動が始まり、膨大な量の書籍を読んできました。その日々は楽なものではなく、特に十一月ごろが私にとっての最初のピークで、何度もやめようと思いました。当時は「~の概念(または論理)をまとめてきなさい」などと課されても、その課題の意味すら分かりませんでした。一方で、同時に自分が今まで知らなかった世界の実態、あるいはその見方などが変わったのは貴重な体験でしたし、知的好奇心がかき立てられて楽しくもありました。今思えば、安易に辞めないで良かったです。

二年次の終わり頃に、夏の合宿に向けたテーマの方向性を決めました。私が選んだのは二学年上の先輩がテーマとしていた「新自由主義」についてです。何故世界にこれほど弱肉強食の実情が蔓延しているかを知るには良いテーマだと思ったからです。

しかし、三月に大震災が発生し、全てが止まりました。ゼミも例外ではなく、四月に向けた映画の自主上映企画が白紙になってしまったのは無念です。大学が再開するまで実家でテーマに関する書籍を読んでいましたが、やはり当時は「二度と福島に戻れないだろう」と思い込んでいたのもあり、精神的に集中できませんでした。大学が再開してからは、ゼミも加速していき、すぐに夏休みとなり、ここで私にとっての第二のピークがやって来ました。

2.気がつけば夜が明けるまでパソコンに向かう日々


提供:写真部(図書館)

合宿報告で発表するのは、卒業論文の原型と言えるものです。合宿までの約一ヵ月半の間、ほとんどそのための準備作業に終始しました。一日の大半がパソコンに向かい、本を読み、文字を打ち込む、という作業で、たまに空いた時間に公務員試験の勉強を進めるという日々でしたが、結局ほとんど公務員の勉強はできませんでした。なかなか頭が働かない日々が続き、一回目の先生との面談では厳しく言われました。あの時は合宿に間に合うことができるのか全く自信がなく、またしても辞めようかと思う始末でした。これまでの人生で、一つのことについて一定の期間、集中して勉強するという経験はありませんでした。しかも、大学受験などのように決まった答え、形式だけをこなせばいいという問題ではないので、苦しい時間が続きました。他のゼミ生に聞いても、どうやら自分よりは進んでいるような様子だったので、焦りが積もりました。

ある程度自信を持って面談に臨んだレポートも、跳ね返されることが多かったです。そして構成を修正して、跳ね返され、また修正するという繰り返しでした。修正する作業も停滞し、気がつけば夜が明けていたり、徹夜することもしばしばありました。今思えば、自分に甘さがあったと思いますが、それでもなかなか順調にいかないので、自分に対して苛立ち、何度も投げ出しかけました。しかし、一年間この合宿のために頑張ってきたと言っても過言ではないので、ここで辞めたら一年間を否定することにもなり、何よりも先生が度々おっしゃっていた「ここで頑張った経験が、今後につながる」という言葉を信じて、踏ん張ることにしました。合宿も間近の九月の半ばには、ある程度作業も進むようになってきたので、いくらか合宿への光明が見えてきました。

合宿までの期間、熟読したものから点検的に読んだものを含めると、十冊以上は読みました。テーマに関すると思って買った本でも、全く役に立たないものもありました。限られた期間でこれほどの分量を全て消化するなどということはできるはずもないので、いかに自分のレポートに上手く概念を組み込んでいくかが問われました。それでも今回の合宿の報告で完璧にその作業ができたとは思えないので、今後の卒業論文における課題です。

3.「第一の完結」
ついに合宿の日がやって来ました。
卒業論文が真田ゼミの「第二の完結」としたら、この合宿は「第一の完結」(だと思う)なので、感慨深いものがありました。

私の報告に関しては、「新自由主義」という、今年は私以外のゼミ生がほぼ関係していないテーマだからか、ゼミ生からされる質問は意外と少なかったです。私自身、正確に把握しきれていない点もあり、難しいテーマだったと思います。思った通りに回答できない質問もあり、もう少し広い視点で準備しておけば良かったです。

報告と質疑応答の後に行われたディスカッションでは、なかなか上手く対応できませんでした。疲労と緊張で頭が働かず、いささか頭に血が上ってしまった点もあり、反省しなければなりません。ディスカッションに関しては失敗したと思っているので、心残りです。

4.最大の収穫は「自信」
合宿当日は反省点もありましたが、準備期間を含めて全体を振り返ると、やれることはやったので、満足しています。合宿のためにここまで真剣に準備に取り組むゼミはほかにあるのかと思うほど厳しかったですが、改めて真田ゼミに入って良かったと思います。

今回の合宿の最大の収穫は「自信が持てた」ということです。時間を忘れ、苦しみながら勉強し、やり通した経験、また合宿での報告で臨機応変に対応することが求められた経験(不十分ではありましたが)は、これから始まる就職活動にも役立つと思います。また、すでに自分がはっきり語れる研究テーマが持てたということは、就職活動での強みだと思います。これからの半年以上の間、公務員試験の勉強に打ち込む日々が続きますが、苦しくなったらこの合宿準備の苦しみを思い出すことにします。「あれに比べたら、形式を覚えるだけの公務員試験勉強の苦しみなんてたいしたことがない」と間違いなく言えるからです。

提供:写真部(専門演習掲示板2011)