2009年6月17日水曜日

飯島 充男(教授)学類長の雑記帳(※2009年):南会津町伊南地区での合同ゼミ合宿調査のこと

飯島 充男(教授・経済経営学類長※2009年)

6月12日(金)から14日(日)まで、2泊3日で小山良太ゼミと私のゼミとの合同合宿調査があった。「農村と街を繋ぐ地域企業の発展に学生がより深くかかわり、その中で経済経営等を改めて深く学習し、地域の振興にも貢献すること」、をテーマとするGP(良い教育実践)事業の一環で、4年以上前から小山良太さんが中心で進めてきた伊南地区(旧伊南村で合併して南会津町伊南地区となった)の方々との連携事業に乗っかる形で参加させていただいた。参加学生も中心は小山ゼミ生だ。

受け入れ側の中心には、小山さんと同年輩の旧伊南村(現南会津町)役場職員佐藤隆士さんが座る。隆士さんは福島大学経済学部の卒業生で30代の半ば。自他ともに認める私のゼミの「首席卒業生(酒席ではない)」で、在学時は「いずれは村長になる」との夢を持っていたひと(村は合併でなくなったので、その夢はあきらめた)。小山・佐藤の同世代コンビでこの活動を引っ張ってきた。

メインは2日目朝からの集落調査で、伊南地区の14集落の基礎調査を3班に分かれて実施。私は学生5人とで4集落を回ったが、感想の第1は、集落の区長さんたちが元気で明晰だということ。アラ環(60歳前後)あるいは60代半ば過ぎの方もおられたが、みなお話の筋を外さず、質問に的確に答えてくださる。福島大学の職員の方々を見ていても感じられるところだが、現代の日本人、少なくとも65歳までは現役で大丈夫ではないか。

第2は、高齢化率(65歳以上の方の比率)が40%や50%近くだが、集落の協力関係・助け合い関係がさりげなくあって感心する。あの家の事情、この家の喜びや悲しみ、年齢や病気のことなど、みな判っていて、冬場の雪下ろしなど、いま助けることはいずれ自分も助けられることだと了解とのこと。

第3は、この会津の山村にも農産物の直売が入っていること。埼玉地盤のスーパーのヤオコーの間にJA会津みなみが入り、野菜・花・果物などの産直事業。販売額は農家一戸当たり最高でも100万円程度、多くは数万円から数10万円だというが、比較的高齢の農家には元気の素になっている。もうひとつは宇都宮市のホームセンターの「らくらくいち」(あるいは不正確)への直売で、こちらは週3回地元の方が集荷し、宇都宮に運ぶ。値段も売る人が決めるそうだ。

最終日の午前中は、田植え。「カエルの学校伊南教室」である。伊南地区の子供たちも参加。「いなGO倶楽部」の家族も多い。隆士さんの息子さんお二人も参加し、次男坊のジョーくんなど、田んぼに入ってはズボンやパンツが邪魔とスッテンテン。
 

田植え後は「さなぶり」(早苗振舞い)もあって、万代モチやちまき、こづゆなどをいただいた。

二日間、町の温泉場のお世話になったが、泊まりと食事は旧伊南村役場庁舎に連結する建物で。カレーライスやおにぎりを作り、3日目の朝食はなし。学生は寝袋で、畳の上にせいぜい座布団を敷いて寝る。私や小山さんには布団はあるが、シーツはなし。一日目は枕が見つからず、毛布や座布団を枕代わりにした。

他のゼミナールの学習の仕方や、遊び方、コンパの仕方を知り、自ゼミ以外の学生と話せたのも良かったが、何より若い同僚の指導ぶり・教育へのぶつかり方が興味深く、また大いに感心した。

小山良太さん、ともかく調査も飲み会も田植えも先頭に立って楽しみ、質問する。

二日目の夜は、おそらくどの学生よりも相当ハードに飲んだが、翌日の朝5時には佐藤隆士さんと渓流釣りに出ている。田植えの合間の水生動物探しも、「水生カマキリは一番高い」「あのいもりは卵持ち」など、誰よりも好奇心を発揮。子供たちと一緒で、むしろ学生たちのほうが後ろで見ている(背の高い、「斬る」ロゴ入りのTシャツを着た学生も、小山先生同様に子供たちと張り切った)。ついに小山さんは、さなぶり支度にあたってくださった、地元のお母さん方まで嫌がる蛇(ヤマカカシ)まで捕獲。

調査もがっちりと実施し、学生には2週間後の報告を要請。構えることなく、自らの探究心を満たしつつ、全力投球で学生とともに学習・研究をしている。

こうした教員が増えれば、経済経営学類の未来は大丈夫。皆さん、能書きをいう前に、彼のようにやって欲しい。私も頑張ります。
 

(おわり)