2009年1月31日土曜日

佐野 孝治(教授)フォト・ランゲージ1:フィリピン・フィールドワークメモ

佐野 孝治(教授)

千の言葉よりも、一枚の写真が多くを語ってくれることがあります。この写真は、学生たちとフィリピンへフィールドワークに行ったときに撮影したものです。彼女は日本のNGOから奨学金をもらってフィリピン大学の付属高校に通う、高校2年生の女の子です。わたしたちと輪になって、将来は医者になりたいと夢を語ってくれました。真っ白の制服と白い歯を見せて笑う明るい女の子でした。


夕方になって、その子の家を訪問させてもらいました。悪臭が立ち込める洞窟のような路地を、身をかがめながら進んだ先に彼女の家はありました。橋の下でした。下水の蚊に刺されて弟は昨年デング熱で死んでしまったそうです。お母さんは小さくてやせていて「ハウルの動く城」に出てくるおばあさんに見えました。足を見ると泥だらけの裸足でした。

夕闇に光るフラッシュの中、やっぱり彼女は白い歯を見せて微笑んでくれました。

提供:佐野孝治教授